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タイトル 著 者 初版発行日 発行所
ツキの法則
「賭け方」と「勝敗」の科学
谷岡 一郎 1997年8月5日 PHP研究所

著者の谷岡 一郎氏は、1956年大阪に生まれ、
灘高等学校〜慶応義塾大学法学部を経て、
南カルフォルニア大学行政管理学修士課程、
そして同大学社会学部博士課程を修了するという、
凡人からすると気の遠くなる経歴を持つ。
現在は、大阪商業大学教授であり、学長をも務める。
まずひとつお断りしておくが、本書は麻雀の専門書でも戦術書でもない。
ギャンブル及びゲームの勝敗について、様々な角度から検証している著作である。

本書のコンテンツは、
 第1章  ギャンブラーの迷信
 第2章  必勝法の誤り
 第3章  確実に負ける賭け方とは
 第4章  破滅型ギャンブラーとゆとり型ギャンブラー
 第5章  効率的な賭け方とツキ
 付記   確率論とギャンブル
からなっている。
イントロダクションに書かれているように、
本書の目的はツキの正体を解き明かす事、そしてギャンブルにおいて
最小限の投入金額で最大限の心理的効用(満足感)をもたらす為の
ノウハウを学ぶ事である。
要するにローリスク・ハイリターンを教授する本ではなく、
ローリスクで回収よりも心の充足を目指せ、と
示唆しているところにこの書の大きな価値を私は見出すのである。
特に第3章や第4章などは、麻雀に限らず勝負の原理・原則を
余すところなく表現されている。
大きく負けないことが勝利への近道、
何となく気付いてはいるものの、これだけ数値化された具体例を
列挙されると、「なるほどな」と思わずにはいられない。
まずは一読をオススメする。
これ以上本書の素晴らしさを端的に表現するボキャブラリーを
私は持ち合わせていないから。