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タイトル 著 者 初版発行日 発行所
雀ボーイ 浜田 文人 2002年
7月30日
(株)文藝春秋

今回このコーナーで紹介する”雀ボーイ”はいわゆる麻雀戦術書ではない。
「ミスター麻雀」小島武夫プロを主人公とした、
フィクション仕立ての自伝といっていいだろう。
著者の浜田文人氏は、浜田文太という名前で
日本プロ麻雀連盟に所属していた元麻雀プロ。

この書は、多分浜田氏が小島プロに取材したものを
原稿にしていったという事は、読み進めていくうちに分かった。
注目に値するポイントは2つある。
まず1つは、小島プロが赤裸々に自らの過去を著者にカミングアウトしていることだろう。
忠実に事実が文字にされていると思う。
そしてもうひとつは、この類いの出版物が文藝春秋から出版されたことではないか。
麻雀書籍はほとんどのケースが特定の出版社から発行されるのが通例だけに、
こういった超メジャーな版元から出るのは異例と言えるのではないか。

余談だが雀ボーイとは、現代で言う麻雀荘のスタッフの事である。
小島先生もそういう時代があったのだなぁと、
驚かれる若いファンもいるのではないか?
内容は闘牌シーンよりも、小島プロ中心とした人間模様に
力点を置いて描かれているように思う。
読み終えた後、小島武夫という”麻雀打ち”が麻雀新撰組から
三十年の時を越えた今でもなぜ愛され続けているのかが分かった気がした。