「CONTENTS」に戻る
「CONTENTS
に戻る
「麻雀本の紹介」に戻る
「麻雀本の紹介」
に戻る

タイトル 著 者 初版発行日 発行所
五味マージャン教室
運3技7の極意
五味 康祐 1966年4月25日 光文社
(カッパブックス)

五味 康祐氏は、言わずと知れた作家であり、マージャンの専門家ではない。
大正10年大阪生まれ 早稲田大学英文科中退。
昭和28年 「喪神」で芥川賞を受賞。
その他代表作として 「柳生武芸帳」がある。
(氏の”祐”という字は旧漢字であるが、現行は用いられていない文字のため、
このコーナーでは新漢字で表記している。)

コンテンツは「まえがき」から始まり、
@心理編 A基礎技術編 B高等戦略編 Cインチキ防止編 Dむすび 
付録として模範対局を掲載。
五味氏のマージャン観は「基礎技術編」より、「心理編」がまず先に来、
「高等戦術編」ではなく「高等戦略編」という表現からも分かるとおり、
きわめてアウトサイダーなファクターに重きをおいているように思える。
この本は私の記憶が確かならば、初めて牌活字を使用した戦術書であり、
見出しを格言風、そして実戦例を引用するという現代の戦術書の
エポックメ−キングの役割を果たした功績も見逃せない。
30年以上経っていささか古く感じられる部分もあるが、
未だ輝きを失っていない、際立ったペンが小気味良い。
私がこの本を初めて手にしてから約20年、以降様々な戦術本を目にしてきたが、
この「五味マージャン教室」に出会った時程の衝撃を感じさせるものは無かった。
既に絶版の可能性が高く、古本屋が唯一の入手ルートか。
これを手に入れることが出来た人は幸運かつ強運といえ、
それだけで勝負事の適正が高いと評価できると思う。

最後に五味 康祐氏のこの本の冒頭のフレーズを引用させて頂く。

「マージャンだけは碁や将棋とちがい、ツキがあれば下手でも勝てる
と思うのが下手の証拠である。」
(五味 康祐)