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大貝 博美プロ の解答 白
これが実戦だったら、第1打から中張牌を河に並べて
オリの構えに入っていそうです、私。
”今回はもうしょうがない、ゴリ押ししてもう一度放銃したりすると
次の半荘にも影響しちゃいそう”とか思って。
だいたいこんな状況でスンナリとアガれるとも思えないし。
でも「オリ」と答えると二度と再び回答依頼来ないんでしょ?
じゃ、何か切るしかないですね。

ひとまず今何を切るかはさておいて、
先行きメンゼンでテンパイを入れ「リーチ!」と
声高に叫んだとしましょうか。
”この状況、誰も向かってこれないでしょ?
オリてもらってゆっくりツモっちゃうもんね。”くらいの勢いで。
”なるほどそりゃ言えてる。3人並びの死に馬リーチ、
誰も振り込みたくないよな。”
と思ったそこのアナタ、本当にそうですか?
この親の目論見に独りよがりの懸念はありませんか?

仮に私が子方の内の1人だったら親リーチの発声を
耳にしてからの数秒(ウソ)で以下の如く考えます。
”なに、リーチ?するってえとナニかい、
この局オイラがアガリさえすれば何点だろうと
どこからだろうとオイラの優勝が即決するってこと?
で逆にオイラがオヤマンでも振り込んだとすると・・・・・
そーか、トビの可能性が消えるから
オーラスまでにじっくりと手を作って刺し返せばいいワケか。
いやそもそも満貫3発も打ってフラフラの奴に
オイラの牌が当たるワケないよな。
こりゃおいしい話があったもんじゃん(若者風)。”と。

ところがこれがまた独りよがりに他ならず、
親との直接対決なら確かに分がありそうですが、
この思考回路自体がほぼ正しい訳ですから
同じ様に考える人が必ずもう1人は出てきます。
ということはサシの勝負にならないということ。
そして一瞬親リーチの声にひるんだもう1人も他家の往きっぷりを見て
”俺もウカウカしてる場合じゃないや。”と悟り、
さあ4着足を止めての殴り合い−
という状況になること、十分に想定できるのです。
土壇場のつもりの親リーチがフタを開けてみると無スジに次ぐ無スジ、
しかも親のロン牌だけはスリ抜けて・・・・・という状況が。
どうです、アナタ、子方3者の開き直りを制し
この修羅場を勝ち切る自信がありますか?
爆岡でも傀でもない私には自信がありません。
いわゆるデジタル派の人たちはこの状況でも25%の確率で
勝てるのかもしれませんけどね。

上記の理由によって男らしくリーチといきたくない私は
手役を作りヤミテンで姑息にアガるコースを目指したく思います。
したがって私の打牌選択は白
1枚出の白頼みにはとてもじゃないけどサムすぎて向かえません。
一瞬シャンテンが落ちるわけですが、
この形ならすぐイーシャンテンには戻るでしょう。
そして白打ちの利点はテンパイを逃した形になる牌
三萬六萬九萬2索5索)を引いた時でも余剰牌のない
十分形のイーシャンテンになるということ。
先の手牌から指運にまかせてターツを払いモロに裏目を喰ったら
まずもって終わり・・・・・かと思います。
ならばテンパイ逃がしにはなっていても喰い仕掛け可能の
十分形の方がまだ戦えるということです。
なお喰い仕掛けについては打白の後二萬を重ねた場合の六萬と、
七萬ないし八萬を重ねた場合の三萬は動きます。
チーしてまだイーシャンテンという仕掛けはおすすめできません。
だいたい不調者のこういうアガキは好調者に利することが多いので。
これもデジタル派には「何それ?」でしょうけどね。
それはともかく打白の後のツモ六萬
そしてツモ三萬二萬でも同じ)なんていう降ってわいた
僥倖のようなツモが来ても前述の通りヤミテンにすること、
言うまでもありません。
「そんな男らしくない。」というそしりが聞こえそうですが、
30年の経験則がその方がよいと教えるんだからしょうがないですね。

それにしてもこの問題、かなりの割合の人が打白と答えますよね。
マジョリティは打四萬だと思うけど。
四萬が55%、白が40%、そして即リーもにらみつつ
タンヤオへの移行も考えた打七萬が5%かな。
もっと選択肢の多い問題の方が答えやすいんですけど。
だから目新しくもない回答で恐縮なんですがこの拙文からは
”打牌(=戦略)決定にあたっては客観的な状況・展開の把握と
メリット・デメリットの考察が不可欠である”
ということを考えていただければ幸いです。
それでは皆様のさらなる盛運を祈りつつ・・・・・
いずれまた。バイビー(死語)。


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