伊藤 優孝プロ の解答 |
皆さん、こんにちは! 「真説!何を切る?2002」7月分問題に挑戦する 日本プロ麻雀連盟の伊藤 優孝です。 問題に入る前に一言申し上げたい。 昨今、何切る?問題が多く取り扱われていますが、 ほとんどが局面状況、経緯、テーマ等が 無いに等しい問題が多いのは残念です。 そもそも何を切る?は手順としての答えを追及しているものなのです。 単なる麻雀クイズであって欲しくないと思っているのは 麻雀人ならば私だけではないと思います。 では手順とは何か? 皆さんの中には勘違いされている方もいらっしゃると思うので 少し説明しましょう。 手順とは読んで字の如く、与えられた手牌から手役構想をし、 和了を目指す上において一番不必要とされる牌を 切っていく順番のことです。 自分勝手に自分の手牌だけを中心に 牌を切っていくだけならこんな楽なことはありません。 ただし相手が三人いることを忘れないで下さい。 手順と手筋は違います。 手筋とは自分勝手に自分流に手役作りを 目指していく切り順、進め方のことを言います。 手順においては、この牌を切るのが絶対に正しいと言うことは 有るようで、実は無いのです。 なぜなら本当の手順とは、対戦者の雀力、局面状況、 自分又は相手の好不調、個々の精神状況等々によって その都度違ってくるものなのです。 その時、その一瞬、その局面において 最善の打牌を選択するのが手順なのです。 このことをぜひ皆さんに認識して頂きたいと思います。 私たちプロは手順を極めれば無敵になれることを知っています。 誰もがそれを目指しています。 しかし悲しいかな、人間であるが故に目先の利や恐さ、 プレッシャー等々に迷い惑わされ、手順を曲げてしまいます。 日々努力はしているものの、なかなか極めることはできません。 (私には一生無理だなぁ) 『手順を極める』 これぞ麻雀の王道であると私は確信しています。 皆さんもがんばってネ。 (前置き長くてゴメンなさい) 以上のことを意識した上で何切る問題に行ってみましょう。 この問題は局面状況、点棒状況等が設定されていて なかなか良い問題となっていますね。 さて、この局面のポイントは 1.チャンス手と見て、ここで一気に高得点を目指すのか否か? 2.サンショク、チートイツ、タンヤオ、ピンフ等 手役にこだわるのか? この2点だと思われます。 まず1に関して言えば現状ラス目である。 どういう展開でこの点棒状況かは解らないが、 牌勢は良いとはいえないだろう。 従って自分の思い描く通りには 行きづらいだろうし、和ることも楽ではないと思われる。 ならばここは最低3900点でも良しとして和りを取りに行きたい。 この手牌とツモを見ると、さほど牌勢が落ち込んでいるとも思えない。 上手くさばいて和了を取れれば、 次局トップ争いに加われそうである。 2に関しては、まずサンショクにこだわれば 相当に無理がありそうです。 チートイツは可能性はありそうに思えます。 しかし好調時ならともかく、今の状態を考えれば牌の選択に 迷いが出るのは必至で、和りそこなう方が大きいと見ます。 ましてこの形にをツモって来たことを考えればチートイツは 断念すべきでしょう。 従ってここはタンヤオとピンフ狙いに構えておきたい。 (クイタン仕掛けも考慮する) さて答えは大分見えて来ました。 切る牌の候補は、、に絞られそうです。 では切りでしょうか? いいえ、ツモでのロスは痛いはずです。 ではは? ツモ・とくるかも。 ここで切るのはまだ早いでしょう。 となれば残るのは切り。 がでないのならを先に切っても良しなのだが、 がある以上、は一枚あれば十分であり、 いずれ出て行く牌です。 ここは素直に好牌先打で打とするのが手順でしょう。 決定!何を切る?伊藤 優孝の一打はとなりました。 |