HeartLand版「真説!何を切る?2003」


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真下 修プロ の解答 4索

問題拝見しました。
かなりむずかしいのですが、私の答えは案外と早く出ました。
4索が結論です。
この打牌について、日頃麻雀を打ち慣れている
知り合いに意見を求めたところ、
「解んネーよ。説得力にかけるんじゃないの?」
との言葉を浴びせかけられました。
その通りかもしれません。
でも、各家の捨て牌を見ていると、
この答えに行き着くのも私における事実なのです。
素直に検証してみましょう。

まずは、大局観の問題から。
東発の南家でこの手牌をもらったら、
とりあえずは、アガリを求めます。
しかし、鳴いて1000点のアガリを
求めることはしない方が良いでしょう。
その1回のハンチャンにのみならず、不安を感じます。
できるだけ堂々とメンゼンで手を進めて行くことが、
大局観かと思います。
次に、この手牌をもらった時に打ち手はどう感じるのでしょうか?
(これは大局観の問題です。)
タンヤオ牌で手牌はいっぱいっです。
ドラはありません。
234の三色も見えます。
トイツが4つできたことで、トイツ系に仕上がる可能性もあります。
ですが、手牌はシュンツ系手役で考えれば3シャンテン。
トイツ系手役で考えれば2シャンテンの不充分形です。
(私にはかなり不安な形です。手牌を膨らませて、
打ち進むと放銃の可能性が高い形に感じるのです。)
そして、他家の手牌に思いを馳せます。
東家は、丁寧な切り出しです。
典型的な手なり手牌に見えます。
おそらくこんな形

三萬四萬六萬七萬5筒6筒2索4索6索9索9索東白

ドラ入りメンツの在るナシはかってな読みですが、
ファン牌を1・2枚浮かせているか、
トイツで入れていると想定します。
東白の部分が東東であったり、
白白であったりする可能性も高いと思います。
2巡目の1索から4索が、4巡目の一萬から四萬
手牌に存在することも想定します。
次に西家。
ツモ切り・手出しが解らないのですが、中をカブッたのなら、
西家のこの変則的な捨て牌は、遠いチャンタ形の可能性が高い。
たとえばこんな形。

一萬一萬八萬九萬1筒1筒7筒1索2索8索9索東東

字牌を持っているとしたら、1枚バラで持っているのではなく、
確実にトイツになっている。
それでいてトイツはおそらく2〜3組で
チートイツを想定する必要のない形。
中に切り出しで字牌の部分の重なりを
これ以上必要としない手牌・形は決まっているが、
受け入れ牌種の少ない手牌という感じです。
逆に、もし、中がトイツ落としなら、かなり早い形のタンヤオ形。
人によって、早いピンフ形でダブリの5索六萬
先切りした可能性もあります。
(土田プロがこんな捨て牌で2巡後にリーチした場合
マチは3索6索4索7索になることが多いです。
バラシちゃいました。土田先生ゴメンなさい)
北家もまた、字牌を確実に持っているハハズ。
手牌の進行は親と同じで、また時間がかかる形。たとえば

四萬五萬3筒4筒4索5索5索6索7索8索東白發とか。

ピンズは持っていない可能性もあり。
持っているとすれば、3筒4筒5筒5筒に特定される。
(もちろん麻雀のことなので出来メンツの6筒7筒8筒とかが、
北家の手牌にあることまで、否定できないのも事実だが、
それは、この局の南家には影響を及ぼさない部分なので、
想定からハズしている訳です。)
とりあえず不充分形のピンズをハズした形。
ケアすべきは西家の手牌のスピード(遅いのか速いのか)と、
まだ見ぬファン牌の東白發
とまあ、こんな状況。
そこで「何切る」の手順が生まれます。
「手順」を決めるのは、打ち手の意志です。
最終形を想定し、他家とのスピードやアガリ易さを含めて
打牌をして行くことこそが「手順」だからです。
南家の手牌からシュンツ系手役の最高形を思い浮かべると

二萬三萬四萬五萬五萬2筒3筒4筒3索4索5索6索7索でしょうか?

その最高形を意識すると、打牌候補は二萬七萬4筒に限定されます。
つまり、この手牌をシュンツ系に限定するならば、
トイツ系手役(チートイツもしくは、スーアンコ)を
否定する打牌を選ばなくてはなりません。
(シュンツ系手役を指向した場合五萬七萬のトイツの
どちらかをほぐす手順では、ルールで赤五萬が入っている分だけ
明らかに七萬が有利です。)
その次にこの手牌をシュンツ系とトイツ系の両方に
天分を掛ける打牌候補は6索7索落としです。
その際の最終形は

二萬三萬四萬五萬五萬六萬七萬八萬2筒3筒4筒3索4索でしょうか。

ところが、これら2つの最終形構想には、
明らかなネックが存在します。
ドラを引けば格別三色に固執する必要はなくなるかもしれませんが、
この手牌のネックは四萬なのです。
一萬を引き入れたこの手牌は「死に手牌」になります。
つまりシュンツ系手牌にする場合は四萬を引き入れること、
いわば、四萬と心中する手順を取らなくてはならないのです。
まして、親の手牌には四萬が1枚あるのです(推測ですが)。
残り枚数の問題だけではなく、将来打ち出す二萬五萬
4枚持ちのスジというだけではなく、確実な危険牌なのです。
いっそのこと、シュンツ系手役を捨てて、トイツ系手役に絞った方が、
スピードと受けを兼ね備えた打ちスジではないか、
と言うのが、私の見方です。
そのための打4索
一つには西家の動向を伺う意味があります。
西家がチャンタ系手牌であれば、
必要な牌は123、789だからです。
その関連牌はできるだけ絞りたい。
西家の必要牌は山にあるのです。
そしてその牌を重ねた時には有利な闘いが約束されるのです。
選択肢は4索6索
親の手牌に4索が一枚存在するとの推測から、4索6索の比較では、
4索の方が少しだけ、トイツになりにくいと信じるからです。
そして対子になり易いと思われる3索2筒を残し
ソウズをバラ切りして行きます。
切り順は4索6索7索
もう少し巡目が進めば、より情報が入って来ることでしょう。
その間のツモで残すとしたら、ドラの5筒東白發
ピンズの上と重ならないソーズ・マンズは出来る限り、切ります。
当然、狙いは、スーアンコ。
ただし、無理に狙うのではなく、チートイツが本線です。
ただし、二萬五萬七萬がアンコになった後で出た4筒だけには、
ポンをかけます。
それ以外は動きません。
チートイツに仕上がった場合アガリを求める限り、
最終のマチ牌はション牌の字牌を避けた方がベターではあります。
この手牌の理想的な最終形は

二萬二萬二萬五萬五萬五萬七萬七萬七萬2筒4筒4筒4筒

二萬二萬五萬五萬七萬七萬2筒4筒4筒5筒5筒3索3索でしょうか。

タンヤオではなくなりますが、

二萬二萬五萬五萬六萬六萬2筒4筒4筒3索3索發發のような形も可と考えます。


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