大貝 博美プロ の解答 |
顧客数1万人とも2万人とも言われる ハートランド札幌店をこよなく愛する北海道の皆様、 あけましておめでとうございます。 とはいえこれがアップされるのは1月下旬のようですので、 正月気分などはとうに失せているはずですが。 いずれにしろ今年第一弾の何切る?ですから 熱を込めて回答するつもりですが、 過去の私の回答を読まれた方はみなさんご存じの通り 「ムダな文章の長さ」が私のウリですから、 あらかじめ覚悟を決めていただくか、 あるいは初めから読まないことをオススメします(^^;) それではいざ。 今を遡ること28年前、 「トッププロと行く船旅」なる企画がありました。 東京−宮崎間をフェリーで往復し、 その船上で麻雀大会やパーティー、 プロとのディスカッションを楽しもうというもの。 たしか5日間の旅程で、参加費は10万円前後だった気がします。 目玉となったプロも、当時としてはそうそうたる顔ぶれでした。 古川凱章プロに小島武夫プロ、 畑正憲さんに金子正輝プロもいたようないないような・・・。 うろ覚えで申し訳ありませんが、 さしあたり回答に影響は与えませんのでご容赦ください<(_ _)> その企画の中で「何切る」として出題された牌姿が 今回の問題と同じものでした。 シュンツの並びは微妙に違いますけどね。 そしてなにぶん人数が多いゆえ 回答も意見もあれこれと飛び交ったわけですが、 そこで故・阿佐田哲也氏から発せられたツルの一声。 『この牌姿に到るまでのツモはどんなものなの? 配牌から動いてない色があれば、僕はそこを外すよ』 その場の一同「なるほど、そんな考えもあるのか」と膝を叩いたシーンです。 しかし、もし今の若い打ち手たちに向かって 阿佐田さんが同じことを言ったとしたら、 『何?そのオカルト(-_-)』と失笑を買うんでしょうね。 「天牌」52巻の17ページにはこんな牌姿が出てきます。 ツモ ドラ 今風の打ち方では100人が100人を切るところでしょうが、 この手牌の持ち主・鳴海弘富は を切り出して・というツモを捕まえます。 こんな打ち方を見せられたら昭和の打ち手たる私などは すぐシャッポを脱ぐ(表現も古い -_-)に違いありませんが、 これもデジタル全盛の今なら 「このおっちゃん、ヘタっぴ」でかたづけられてしまうのでしょうね。 雀聖も牌のマジシャンも形無しです。 と、ここまではいつもの余談。 ここから早くも本題ですのでご安心ください。 この問題牌姿、打牌候補は3種類あると思います。 支持の多いであろう順に、・・の3通り。 私が気づかない展開まで見すえた他の回答もないとは断言できませんが、 もしあっても1〜2%ではないでしょうか。 ちなみに私の予想では 打・・・・・70% 打マンズ・・・・・20% 打・・・・8% なのですが、はたしてどうでしょうね。 打がマジョリティーであることだけは間違いなさそうですが。 打とするメリットは、なんといってもテンパイチャンスの広さでしょう。 11種の受け入れがあり、 その何をひいても必ずリャンメン以上の待ちとなるうえ、 サンショクの可能性も十分に残る。 非常にバランスのいい打牌ですね。 大変いいと思います。 次にマンズのリャンメンターツ外し。 とのどちらを先に切るにせよ、 おそらく次巡には残りの片方を切ることになりそうです。 一瞬テンパイチャンスが9種と少なくはなりますが、 気にするほどのことはないでしょう。 テンパイ逃しの・や・、 あるいはをひいても受け入れがまた広がるわけですからね。 不確定のサンショクに固執せず、 多メンチャンのテンパイを入れてリーチでツモアガろうという、 男らしい打牌です。 大変いいと思います。 ただし私の場合、このマンズ外しの選択はハナからありません。 「配牌を見たらまずサンショクを考えろ」という 『Aクラス麻雀(阿佐田哲也著)』を子供の頃からの参考書にしてきたこともあり、 手役、とくに2翻手役を重視するのが私のスタイルになっていますので。 リーヅモオモウラが一番効率がいいとわかっていても、 タンヤオサンショク出アガリの方が嬉しい体質になってるんですね。 マンズ外しは視覚的に受けつけない、という表現が正しいかもしれません。 さてマンズに手をかけないとなると打と打しかないわけで、 ではどちらがよいのかという話になりますよね。 打の方にはテンパイチャンスが広いというメリットがあり、 打には5メンチャンリーチの可能性が残るというメリットがあります。 しかしちゃんと計算したわけではありませんが、 私の感覚的にはどちらも一長一短があり、 結局同じくらいの損得勘定かと思うんですね。 ましてや・・が場に3枚飛んでいるこの状況においては。 したがってその違いを選択の理由とはしません。 では打を推す理由とは何か。 「たくさん持っている・のスジを打たなくてすむこと」 これなんです! 西家については判断が難しいところですが、 親と南家の捨て牌には タンピン系の手でストレートにきている感じがあります。 つまりどちらかのリーチが早晩やってくることも十分ありうるわけです。 打からテンパイまでの間に敵のリーチがきた場合、 本来理想的だったはずのツモ (・や・・)が悩ましいものになってしまう。 悩みが生ずるだけでも自ら窮地を招いてしまったようで、 気に入らないことこの上ありません。 そして仮に自分の目から5枚見えてる・を 「エイヤッ」と切ってよしんば何も起こらなかったとしても、 それだけでエネルギーを喪失したような気になるんですね。 それに比べて先に打とした場合は、 牌の来方なりに納得して打つことができる。 ここが私にとっては大きな差なんです。 ご理解いただくのは難しい話かもしれませんけどね。 最後に、裏目をひいた場合のことにも少し触れておきましょう。 問題牌姿から何を切るにせよ裏目はあるわけですが、 敵のリーチを受けてからテンパイ逃しの牌をひいた場合、 受け重視にするのが東1局の打ち方だと考えています。 すでに仕上がっている状態ならともかく、 自分のアガリばかりが何通りもあると思うのは無邪気にすぎると思うんですね。 年の始めのおみくじ同様、 結果が「凶」と出てももう一度くじを引こうとせず、 甘受したうえで対応するのがよろしいかと思う次第です。 それでは2010年、 皆様の麻雀ライフがよきものとなりますように。 長々とおつきあいくださった皆様、 ありがとうございましたm(_ _)m |