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「何を切る?6月分解答」
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土田 浩翔プロ の解答 


5200をアガッて優勢で迎えた東3局の南家ですから、
かなり自身の我を通してもいい局面となります。
〔我を通す〕とは、もちろん我が儘に振る舞うという意味ではなく、
存分に自身の描くお気に入りの最終形に向かって前進していくことを指します。
そこで、手牌を見れば明らかなように、三色があまり好きではない打ち手でさえ、
456の三色は目に飛び込んできます
ましてや、ピンズで赤入りのが完成しているわけですから、
三色に向かうなんとも心強い追い風が吹いています。
ワンズとソーズの456部分とピンズのを外した残り7枚を抽出してみますと・・・



この7枚に関する関連牌は、が1枚、2巡目に西家に切られています。
もう1枚捕捉しておくと、が3巡目という早い段階で親に切られています。
ですから打としたほうが、テンパイさせる効率としては優れているのですが、
優勢な状況から、このリャンシャンテンからイーシャンテンに進むツモ牌は、
なのではないか?、
そしてそれは赤牌である可能性も十分あるのではないか?、と私は予測しているのです。

『いやいや、から入ることだってあるし、
から入ってのイーシャンテンも十分あるだろうし、
入ってくる牌たちの可能性は五分五分ではないか?』という反論があることはわかったうえで、
かなりの自信をもってから埋まると予測しています。
ですから、そのとき、から切ってしまうと手牌は次のようになります。





つまり、のシャンポン形を残すのか、
ペンを残すのかの選択になってしまうイーシャンテン構えになるわけです。
もう1度場況をご覧ください。
親の3巡目、西家の2巡目から推測して、は山に2〜3枚活きている可能性が高く、
親には役牌トイツが入っている可能性は高いものの、
劣勢の親とが持ち持ちになる確率はかなり低いので
(北家と親が東や發を持ち持ちにしている可能性はけっこうあります)、
から埋まってテンパイするリズムも十分予測されます。
なので、イーシャンテン時に、どちらも優れているシャンポンとペンチャンの選択に入りたくないため、
リャンシャンテン時にを放す手順になるのです。
さえ放しておけば、優勢のリズムで先に入るであろう
or〕が埋まったイーシャンテン形が次のようになります。





リャンシャンテン時に打としたイーシャンテン形と比べていただければ一目瞭然、
安定感がまったく違います。
ただし、いつも切りが良いという話ではなく、今回のような場況ではなかったり
(が良く見える)、
劣勢な状況だったりする場合には、切り、時として切りも考えていいと思っています。
麻雀は〔千変万化〕するゲームですから、手牌の形だけを見て、
『これしかないだろう』みたいな思い込みをする打ち手には、すぐに麻雀脳の限界が訪れます。
また、テンパイ効率だけ追いかけて、
和了効率を考えない打ち手も常勝できないままの麻雀LIFEになってしまいます。
〔臨機応変〕&〔柔軟な思考〕で手牌と向き合う姿勢が、
常に打ち手には求められていると私は思っています。


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