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「何を切る?12月分解答」
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大貝 博美さん の解答  切り

令和元年もまもなく終わろうとしています。
改元という大きな出来事があった今年は
皆さんにとってどんな年だったでしょう。
私のぼんやりとした印象では、
もちろん新天皇即位に関するものを除いてですが、
国の内外を問わず暗くなるようなニュースが多かったように思います。
日韓関係の悪化、アメリカのパリ協定離脱、
シリア内戦の泥沼化と難民の激増、香港のデモ隊と警官の衝突などなど。
また国内では虐待やいじめ・誘拐など、
特に子供がらみの事件が目立ったような気がします。
そういうニュースを見聞きするたび、
なんともやるせない気持ちになったものです。


その一方、スポーツ界においては
日本全体が笑顔になるような話題がたくさんありました。
まず1月のテニス界、
昨年の全米オープン優勝に続き全豪オープンでの優勝も果たした
大坂なおみが世界ランキング1位の座に。
世界ランク1位は言うまでもなく男女を通じて日本人初の快挙であり、
年明け早々のビッグニュースとなりました。
現在はランキング3位に後退した大坂ですが、
メンタル面の強化がなれば1位復帰も夢ではないでしょう。

バスケットボールでは八村塁選手が日本人として初めて
NBAのドラフト1巡目で指名されました。
シーズンが開幕した後も、新人週間MVPを受賞するなど
期待を裏切らない活躍を見せてチームに大きく貢献しています。
所属のワシントン・ウィザーズは現在不振にあえいでいますが、
八村選手の成長とともにチーム成績も上がっていくことでしょう。

そして8月に世界を仰天させたのは
全英女子オープンゴルフでの渋野日向子、弱冠二十歳。
プロテストを通ってからわずか1年にして、
樋口久子以来実に42年ぶりとなる
日本人のメジャー制覇を成し遂げました。
地元イギリスのマスコミに「スマイルシンデレラ」と命名された彼女は
まさにシンデレラストーリーを歩き始めたのです。

11月にはワールドボクシングスーパーシリーズ(WBSS)決勝が行われ、
5階級制覇王者のノニト・ドネアとの死闘を制して
井上尚弥が王座に輝きました。
アメリカのボクシング専門メディアが発表したばかりの
最新のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で、
井上は堂々1位となっています。
PFPとは「もしも体重差がなかったら」という仮定で
階級の壁を越え全ての選手を評価・順位づけするもので、
井上は事実上「世界最強のボクサー」として認められたことになります。

そして忘れてはならないのはラグビーワールドカップでの日本代表。
スコットランド・サモア・アイルランドという強豪国を
相次いで撃破し初めて決勝トーナメントに進んだことは、
快挙以外の何物でもありません。
4年前のワールドカップの南アフリカ戦で
「スポーツ史上最大の番狂わせ」
と報じられた勝利を挙げた日本代表ですが、
今回の大躍進を「番狂わせ」と報じたメディアはありませんでした。
日本が世界と肩を並べる日、
ラグビー界においてはすでにその日が来ているんですね。

多くの競技において、世界と日本の距離が一気に縮まった年でした。
スポーツファンにとってはこたえられない一年だったに違いありません。


また麻雀界を振り返ってみると、
今年はさして大きな動きはなかったように思います。
Mリーグが2期目に入り規模を広げたことが、
一番の話題だったでしょうか。
Mリーグには麻雀のイメージアップと
ファン層の拡大に寄与してくれることを大いに期待しています。

しかしわりと静かであった今年とは一転、
来年には大きな国際イベントが控えています。
オーストリア・ウィーンでの開催が予定されている
第3回世界リーチ麻雀選手権がそれ。
第1回・第2回ともに上位を独占した日本人プレイヤーが
また地力の差を見せつけるのか、
あるいは捲土重来を期す海外勢が強豪国日本の一角を崩すのか、
非常に興味が持たれるところです。
余談ですが、第2回の優勝者であるともたけ雅晴プロとは
ともに働いた仲でもあり、頑張ってほしいと思っています。
目指せ連覇。

そして来年あたりには、
麻雀を2022年北京冬季オリンピックの
正式種目とするための動きも活発化することでしょう。
スポーツ界とは逆に日本が常にリードしてきた
国際舞台における麻雀シーン、
これからは世界が日本に追いつき
追い越そうとする時代になっていきそうです。


ある日。
『今年何もなかった分、来年は派手な年になるかな』
などと考えていたところに
突然麻雀界を揺さぶる衝撃的ニュースが飛び込んできました。
「何もなかった」はいささか早計に過ぎたようです。

「ハートランドの『真説!何を切る?』が打ち切りに!」

大事件でしょう、これは。
ハートランドの何切るといえば20年も続く名物コーナーですから。
2005年以降計14回
コメンテーターを務めさせていただいた私にとっても
かなり思い入れがあるコーナーで、
終わりと聞いて感慨深いものがあります。
とても寂しく思いますし、心がつまるようでもあって。
昨年春にプロの看板をおろして以来
回答のお誘いを固辞してきた私ですが、
そんなわけで最後の恩返しをするべく、
このたびご依頼をお受けした次第です。


さてようやく回答に移るわけですが‥。
この問題、選択肢が一つしかありませんね。
切るべきはしかありません。
百歩譲ってだけは打牌候補に入るのかとも思いましたが、
有効牌の数でも打点でも、
さらには仕掛けやすさでも打に見劣りします。
となると出題者の意図をはかりかねてしまうわけで、
「何かワナがあるのでは』などといぶかったりもしましたが。
ははぁん、なるほど。
「最後の最後は全員で同じ答えを出し、気持ちよく大団円を迎えよう」
ということなのでしょう。
ならば奇をてらうこともなく深読みすることもなく、
第一感のまま答えるのがいいですね。
おそらくはほぼ全員の支持となるであろう、打で。

土田先生、つかぴーさん、
そしてコメンテーターを務められた多くの皆さん、
長いことお疲れさまでした。
ハートランドスタッフの皆さん、
長らくお世話になりました。
このコーナーが終わっても、
過去の問題と回答をいつでも閲覧できるように
していただけることを切に望みます。
比類ないほどに真面目な人柄がにじみ出ているような
故・古川凱章先生の回答(2001年10月出題分)をはじめとする
多くの名回答がもしも消え失せてしまうとしたら、
それは私にとってあまりに悲しいことです。
またこのコーナーをいつも楽しみにされていた麻雀ファンの皆さん、
今後のハートランドにも変わらぬご声援とご愛顧をお願いしたく思います。
皆さんの麻雀ライフがより豊かなものとなりますように。
私自身もそれを目標に、いつまでも我が身を励ましてまいります。
ありがとうございました。


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