中学生以下日記 番外編

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王座戦奮闘記 byひろとも


11月29日(金)

この日僕は、第27期麻雀王座決定戦の全国大会に出場するため、東京に出発する。
こういう大会の予選には毎回出場しているが、
かれこれ約20回目にして初の全国大会への切符を
手にすることができたのである。
出発の準備も整い、東京の兄弟へのお土産を両手にいっぱい抱え、
タクシーに乗りJRの新札幌駅へ。
と、ここでハプニング。
通常新千歳空港に行く場合、快速エアポートという電車に乗るのだが、
最初にホームに着いた電車に確認せずに乗ってしまったために、
苫小牧行きの電車に乗ってしまったのだ。
しかもその間違いに気付いたのが恵庭駅を出発したあたりなので、
もう南千歳で乗り換えるしか方法がない。
刻々と時間は過ぎていき、空港に到着するのは
出発時刻の13時ギリギリになりそう。
気ばかりは焦るのだが、こればかりはどうしようもない。
結局出発ゲートには15分前のギリギリに着いてなんとかセーフ。
この先が思いやられる始まりとなってしまった。
羽田に着いてからまず向かうのは、僕が泊まる予定の弟の家がある代官山である。
山手線渋谷駅から歩いて10分くらいなので、
ここで2通りのルートから選択することになる。
1つ目は、お馴染みモノレールに乗り、浜松町から山手線に乗り継ぐルート。
2つ目は、羽田から京急に乗り、品川で山手線に乗り継ぐルート。
まあバス以外では多分この2通りだと思うが、
後者のほうが料金も安いし時間も早い。
だがしかし、僕はいつもモノレールを利用している。
途中のレトロな感じの街並みや、
その後の高層ビル街を眺めるのがとても好きなのです。
決して大井競馬場があるからではないですよ、スーパーバイザー氏。(笑)
そんなこんなで渋谷に到着。
とりあえず外に出てみると意外に寒いので驚いた。
一応コートを持ってきたのは大正解だったようだ。
荷物の量がかなり多かったのでタクシーに乗って弟の家へ。
思っていたよりもきれいな部屋で本人も元気そうで安心した。
とりあえずお土産を渡しに兄の美容室へ向かうことにした。
弟の家から歩いて2,3分くらいの場所に兄のお店はある。
忙しそうだったのでお土産を渡し、
夜に待ち合わせて兄弟3人で食事をすることにした。
まだ結構時間があるので新宿に行き、
現王座である金子正輝プロのお店「KO(ノックアウト)」へ。
程なくご案内され、残念ながら金子プロと同卓することはできなかったが、
闘牌の開始です。ジャー―――ン。(割れポン風)
半荘1回目、東1局に対面のメンバーさんのリーチに、
既に先行リーチを打っていた上家が一発で放銃。
リーチ、一発、三暗刻、対ヶ和、ドラ3、おっと裏3の子の三倍満が炸裂。
ちょうど0点は続行らしいが、
>東2局はまたもメンバーさんの1000オールであっさり終了。
場所3着。(同点の場合は起家に近いほうが着順が上になる)
半荘2回目、南2局に7巡目に4枚目の北をツモ切ると上家から「ロン」の声。
役は言わなくてもおわかりですね。(泣)
おまけにご祝儀まであった。
その後もなんとかしようと頑張ってはみたものの・・・・・。
さあ夜は嫌なことは忘れて、
美味しいものでも食べて明日へ引きずらないようにしないと。


11月30日(土)

今日からいよいよ全国大会が始まる。
なんと初日は4会場に分かれての戦いとなる。
僕の会場は有楽町にある「錦江荘」というお店。
ルールだが一発裏ドラの無い競技ルールで積み場も無い。
しかもノーテン罰符は場に600点という特殊なルールである。
それで順位点の無い素点のみで争うのである。
初日の第1次戦は、4回戦の大会形式で
64人中14番以内に入らないと2次戦に進むことができない。
1回戦、気合いとは裏腹に手が入らない。
やはり昨日の国士放銃がまだ響いてるのかもしれない。
ノー和了ノー放銃で小さいながらもマイナススタート。
2回戦、起家を引いた僕はいきなり6巡目にタンピンでリーチ。
ツモれば1回戦のマイナスが帳消しになる。
すかさず対面がツモ切って追っ掛けリーチを打ってきた。
そして対面の一発ツモ。
「リーヅモ一通」のカン8索で2000、3900。
いよいよピンチである。
さすがに2戦連続のマイナスだと勝ち残りがかなり厳しくなる。
しかし、転機は突然訪れた。
東4局、5巡目に半ばヤケになって
イーペーコー出来合いのドラのペン7索で即リーを打った。
もう玉砕覚悟である。
するとまたも対面から「リーチ」の声。
「ああ終わった。早かったなあ俺の王座戦。
せめて2日目には残りたかったなあ。」
と思いながら河を見ると、なんと対面のリーチ宣言牌はドラの7索だった。
「ロ、ロン。5200です。」
望外の本日初和了りに気分を良くした僕は
次局の親番で4000オール、11600、6000オールの荒稼ぎで
6万点オーバーで2回戦を終えることができた。
こうなると完全に絶好調モードに突入した僕は、
続く3,4回戦も4万点、5万点と叩き出し、
3位で1次戦を通過することができた。
第2次戦からはトーナメント方式。
同じメンバーで2回戦戦い、上位の2名が2日目の3次戦へと進む。
1回戦、対面のドラポン3900オールからスタート。
そこからいきなり4連荘されて5万点オーバー、早くも勝ち抜け濃厚。
残るは2番手争い。
ただこの大事な場面でまたも手が入らずにじっと我慢することにした。
2回戦開始時に僕は4番手、
2番手との差が4.2ポイント差である。
東場はこの差をほとんど縮めることができぬまま南1局の最後の親番を迎えた。
絶好の配牌をもらい、5巡目にこの形。
二萬四萬4筒4筒5筒5筒6筒6筒8筒8筒3索5索7索 ドラ二萬
ここで2番手の下家が対面から發をポン。
すぐ上家が6索ツモ切り。
その瞬間、間違いなく体温が急上昇したと思う。
「こんな喰い流された牌、死んでもチーはしない」と
6索を横目にツモったのがなんと三萬
場況はソーズが全体的に安く、特に当面のライバルである下家が
4索6索も掴めば切ってくること間違いなしという感じ。
ここでオカルトシステム「喰い流されたところは死にメンツ」とばかりに
7索、カン4索に構える。
内心「勝った」と思っていた。しかしすぐに下家が「ツモ」。
二萬三萬三萬三萬1筒2筒3筒7筒8筒9筒 ポン發發發 ツモ二萬
「イチサン、ニーロク」
「終わった、あんなに薄い三萬が入ったのに勝てないなんてもう終わりだ。」
この時点で下家との点差は13200点差。
これを残り3局でかわさなければならない。
南2局、2番手の親番。
点差を縮めるにはここしかない。
配牌は中張牌が多めだがツモが縦にしか伸びない。
3巡目あたりから七対子に決め打つ。
7巡目にはタンヤオ七対子のイーシャンテン。
浮き牌が3筒5筒五萬で自分の勘では
どれも山にいると思っていた。
特にピンズ待ちになったら即リーしようと考えていた矢先にツモ5筒
本当にノータイムで五萬を切ってリーチ宣言していた。
まったく迷い無し。
これがツモれなかったら負けることを覚悟して祈るようにツモる。
3巡後、親指の腹に確かに3筒のあの斜めの感触。
さすがに気持ちが高ぶってしまい、思わずちょっとツモ牌を叩きつけちゃいました。
すいません。反省してます。
ラス前にもピンフドラ1をリーチでツモって逆転し、
オーラスは逃げ切ってなんとか2位で通過。
ふーーっ、苦しかった。


12月1日(日)

2日目の会場は、銀座の「柳本店」。
昨日各会場で勝ち抜いた選手たちとプロや
芸能人などのシード選手が一同に会す。
3次戦も2回戦のトーナメント方式で争う。
1回戦、東1局にいきなり親に7700放銃してピンチに陥るが、
なんとか挽回することが出来、2着目で2回戦に入る。
しかし2回戦、何もすることができないまま脇の争いを見ている羽目に。
しかもたまに前に出ると放銃が待っているという悪循環。
完敗に終わった。
その後、4次戦から登場の我らが土田プロの後ろで観戦させてもらったのだが、
やっぱり観ている側ではなく見られる側になりたかったなあ。
もちろん土田プロはその後も勝ち進み、後日行われる準決勝に進出。
北海道からは天王位の小林慶多さんも勝ち残った。
いつか自分ももっと上のステージで戦えるように札幌に帰って
ハートランドで修行し直そう。
そう心に誓い会場を後にした。
来年も待ってろよ、王座戦。予選で負けちゃうかもしれないけど。(笑)

END