People−16

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「People 16 Heart Landその参」

札幌から京都、道南、奥尻島への旅を終えて、
再びいつも通りの大学生活が始まった(大学2年の後期)。

僕の通っていたS大学は、入学すると単位に関係なく2年生までは進学でき、
3年生になるためには一定の単位をGetしなければ進級できないシステム。
ただ、毎日毎日遊び呆け、飲んだくれていた大学生活。
授業にはろくに出席せず、テストの点数はもちろん悪い。
当然の事ながら、そのツケたるものは求めてもいないのに着々と溜まっていた。
はっきり言って進級がヤバイ!
素敵なくらいヤバイのでありました。
とにかく年末の試験に備えて、これからは毎日学校に通おう。
今は気休め程度にそれくらいしかできないから・・・・・。

僕はそれからというもの、新たな心構えを胸に一生懸命学校に通った。
授業が終わると友達と遊んだり、ハートランドに足を運び、楽しい時間を過ごす。
BARでのバイトを旅に出る前に辞めていたので、節約生活に突入していた。
飲みに行くなんて事はごく稀な事で、大好きな酒の量もだいぶ減った。
夜寝る時間もこれまた早目ときたもんで、
「これが純粋な学生生活のあり方だ!」と、
一冊本でも出せそうなほど規則正しい毎日を過ごしていましたね。

そんな生活を送っていた1998年の秋頃、
僕はハートランドのスタッフにならないかと誘われていた。
そろそろ何かバイトでも始めなければ、遊ぶお金も完全に無くなってしまう。
しかし、当時のメンバーの勤務時間は結構長かった。
そんな条件だと学校に行かなくなる事は間違いない。

学校を取るか、スタッフを取るか。
究極の選択。
真剣に考えた。麻雀を本気でやりたい。本音はノータイムで麻雀を選びたい。
しかし自分で大学に行きたいと言い出し、
親に学費を払ってもらっている立場上、そう簡単に答えなど出す事はできない。

それでも何とか両立させたかった。
すぐさまこの問題を解決してくれたのは、
ハートランドのオーナーである当サイトのスーパーバイザー氏。
「学校終わってから働けば?それでもいいじゃない。」と。
あの時の笑顔が今でも忘れられない。
当時の店のシステムではありえないことで、
晴れて僕のスタッフデビューが決まった瞬間でした。

それから、数日後、
僕のスタッフとしての初日がスタートした。
いつもはお客さんとして店に足を運んでいたが、今日からは違う。
事務所に入り、制服に着替え、トイレの鏡で身だしなみをチェック。
自分の姿を見た瞬間に笑いが止まらなくなった。
今でこそハートランドスタッフの仕事着は、
白のワイシャツにネクタイという紳士的なカッコウだが、
当時はまだ、オ○ム真理教のようなあのユニホームスタイル。
(昔からの常連の皆さん、ちょっと思い出して下さい)

そしてついに、「おはようございます。いらっしゃいませ!」と、
お客さんに挨拶を交わし、晴れてスタッフデビューを飾りました。
常連のお客さんは皆、
「〇〇〇ちゃん(僕のニックネーム)もついに働き始めたか?!」と
お決まりの言葉で迎えてくれました。

つづく

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