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People 11 不思議な門

 朝方、僕は目を覚ましました。
周囲はぼんやりと霧がかかっていて、まだ太陽の光はかすかに感じられる程度だった。
昨日あんなにも恐怖を抱き、ここ進入禁止地帯に足を踏み入れたのが
まるで嘘のように僕の気持ちは落ち着いていました。

まだ明け方で目前の長野へは急ぐ必要はないのですが、
とにかく僕はおなかペコペコです!
僕のおなかが急いでくれとブゥたれるのです。
とにかく早くこの峠道を越えて朝食にありつこう!
僕はテキパキと着替え、顔を洗い歯磨きを済ませ準備を整えました。
(ちなみに水道なんて野宿するところにあるはずはないので、
僕は常時ペットボトルに水を入れ、モロロン号に積んでおりました)。

さぁ出発だあ〜!!おっ、昨日僕を惑わせた進入禁止の看板発見。
あれ??なんか良く見ると木の葉にチョイト文字が隠れているような気がする!?
「およ!?」
僕は木の葉をそぉっとよけてみました。
するとどうでしょう、そこにはフザケンナぁ〜といわんばかりに
「車」という文字が隠れているではありませんか!

下りの峠道を僕は駆け抜けました、車が全然いないのです。
走れモロロン♪がんばれ僕のモロロン号♪♪

数時間たち、ようやく長野市のはじっこに差し掛かかることができました。
お店なんかもパラパラと目に飛び込んでくるようになりました。
もちろん朝早いのでコンビニしか空いておりません。
僕はお弁当と雑誌を買いコンビニの近くにあった川のほとりで休むことにしました。
お弁当を食べながら僕は今日どうしようかと考えていました。
友達と会う予定の日よりも一日早く長野市に到着してしまったのです。
そこで今日の目的地;特にナシ。
スケジュール;もっとナシ。
ブラブラしよう★今日は長野市観光だ!

しばらく自転車をこいでいるとパチンコ屋を発見しました。
まだ朝の7時ぐらいだというのに人が並んでいる?
そんな早くから並ぶ理由などみなさんご承知のとおり「新台入替え」しかない!
これはチャンス!
(まだ旅を始めてからそう日にちは経っていないがフェリー代及び異常なお酒代、
ちょっとリッチに泊まった宿代、食事代うんぬん。
お金の無くなるのはあっというま、旅の予算10万円が無くなりしだい旅終了と
決めて出たにもかかわらず、もう5万円近く使っているのでした)。
約2時間並び9時に開店、3時間後の昼12時に潮時と思い切り上げた。
勝った、勝ちましたよぉ〜♪パチンコ屋さん2万円、ありがとう。

パチンコ屋さんを後に僕は長野市にある善光寺を目指しました。
新台入替え待ちで並んでいた時に仲良くなった方々から観光客はそこ行くよ、
というようなことを教えてもらっていたのでとりあえず行ってみることにしたのです。

いろんな人に道を聞きながらもなんとか善光寺に辿りつくことができました。
寺の名前はよく知りませんでしたが、つまりは「仁王像のある寺」です。
近くで見ると両脇の像はとても迫力がありました。
なんでもガイドさんの話だと(観光客に話してるのが聞こえてきたんですけど)
二体の像のうち一体が「阿」と言っており
もう一体が「吽」と言っているらしい、
「阿吽の呼吸」なんかに使われてるあの「阿吽」ですね。
「阿」というのは物事のはじまり、そして「吽」というのは物事のおわりを意味するそうです。
 こんな豆知識を聞いた後にその仁王像が守っている門を見ると
不思議な気持ちになるんですよ。
僕のかってな解釈ですけど、物事のはじまり、物事のおわり、
そしてそれらを意味する間に「門」がある、
この門は「現在」っていう意味をもっているんじゃないでしょうかね?
過去(昨日)の結果が現在(今日)でありその結果が未来(明日)につながる、過去、現在、未来。
そんなことを思いながら、僕は迫力満点の仁王像に別れを告げ、善光寺を後にしました。

夕方くらいまで長野市を満喫した僕は汗を流すために銭湯を探しました。
なんなく発見することができ、その後は夕食を済ませ、これからどうしようかと、
とりあえずブラブラし続けていたところ、僕は麻雀荘を発見したのでした。
考える間もなくそこに直行、そしてルール説明なんかをさっそく聞きました。
レートはピンの1-3、ご祝儀ちらほら、アリアリルール。
まぁ特に問題ない、麻雀が打てる、わ〜い♪

もうかれこれ打ちはじめて数時間になる。勝ってる、勝ってますよぉ〜♪
もう今日は朝まで打ちつづけるぞぉ、
休憩のため一度卓を離れた僕は今度は違う卓に入りました。
おや、おやおや!?ラス、3着、3着、箱ラス。休憩前の勝ち分がもうなくなった、
さらに数時間後健闘したにもかかわらずパチンコの勝ち分に手がかかってしまった。
負けてます、負けちゃってますよ〜(涙)。
時計を見るとまだ深夜2時前、このペースだと旅の資金が無くなってしまう、撤退するしかない、
そして小考のすえ潔く撤退。旅打ち第1弾・
完全敗北でありました。

店を出た僕は野宿できるような寝床を探しました。
しかしあまりにも街中のためそんな所は発見できずに力尽きてしまいました。
トボトボ街を歩いていると、とてもお手ごろなカプセルホテルを発見、
お財布との相談結果今日得た差し引き+5千円でカプセルホテルに泊まることにしました。
カプセルといえどなんとも快適、それでは、それではまた明日★

つづく

QueenMark