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People7 家出 ついにチャリンコの旅の出発の時がきました! 睡眠も少しだけどとれたし、体調も万全、荷物もしっかりまとまって準備万端。 深夜2:00、出発まで起きていてくれた親に「行ってくるよ〜!」っと別れを告げ、 僕の旅は始まったのでした。 今日の目標は朝8:30までに僕の家から約40キロ位距離のある、 小樽のフェリー乗り場到着です。 時間もたっぷりあるので、これからのためにゆっくり体慣らしのような感覚で フェリー乗り場に向かおうと僕は考えていました。 走り始めてから僕はものすごく大きな高揚感と解放感に包まれました。 暗闇の中の外灯に照らされた道路を僕はひたすら走り続けていったのです。 気持ちの高まりをさらに高めるような生暖かい風が僕の身体を通過していくのでした。 走り始めてから10キロ位の地点で石狩新港沿いの国道に出ることができました。 深夜ということもあって三車線ある道路はほと〜んど車が走っていません。 ほんとに時々大型車がとおるだけです。 国道は僕が独占!なんと気分爽快なことでしょう♪ 僕はオッキナ声で歌を歌いながら、楽しさに包まれながら走り続けました。 そんなウキウキ気分で走っていると僕の遥か後ろの方から、 突然ものすごい排気音が聞こえてきました。 「な、なんだ?」「もしかして暴走族さん?」 排気音がどんどん近づいてくる、 あれはどう見ても暴走族さんだよ〜! ほとんど車の走っていない国道は、モロロン号に乗った僕の歌声と 排気音で不思議な音楽を奏でておりました。 そしてついに僕がその集団に追い越されようとした瞬間、 もちろん僕の横で何台かのバイクが止まりました。 暴走族さん達から声をかけられる前に、 僕は彼らに「すごい排気音だね、びっくしたよ!」っと話しかけると、 彼らは僕の姿とママちゃりを見たせいか、「家出してんの?」
(ちなみにこの日は暴走族さんと達と2回も遭遇しました)。 なんだかんだと走っているうちに、もう目の前は小樽です。 休み休み来たせいか、時間もちょっと早めの7時に到着。 少し早く着いたせいかまだフェリー乗り場にはまだひと気はほとんどない。 まぁしばらく海でも見ながら待つとしましょう。 ちなみに僕はフェリーに乗るのはこの時が初めてでした。 話に聞くとこのフェリー、小樽から新潟まで行くのに17〜20時間位かかるそうです。 ふと疑問に思ったのが、もしかしてこのフェリーに乗っている長い時間、 超〜ひまなのではないでしょうか?? まぁ、でも寝てたら着くよね・・ そんなことなんかを考えているうちにすっかり時間は経ってしまい、 バイク搭乗口(ちゃりんこもここから乗ります)は すっかり何十台ものバイクとライダーさんで埋め尽くされておりました。 その一番先頭に僕のままちゃりモロロン号が少し寂しそうに僕を待っているのです。 ぐるりと辺りを見回してみると自転車で搭乗するのは僕だけでした・・・・・ この時はとても寂しかったです。 僕は搭乗までの時間、とてもワイルドなアメリカンバイクの横にちょこんと座って 周りの人たちの人間ウオッチングをしてました。 皆さんライダー同士で話がはずんでいるようです。 僕はチャリダー、ひとりぼっち・・・・・ 少し寂しくなってモロロン号の所にもどり荷物なんかをいじっていました。 ・・・・・とその時背後に何人かの人影が! ライダーさん達がよってたかって僕に話しかけてきたのです。 (なんでだろう??)
僕以外は皆北海道でのツーリングを終えて、本州に帰る人達でした。 よくよく話すと皆ホントにさっき出会ったばかりで、皆一人旅の方々でした。 僕くらいの年の人がひとり、おねえ様がふたり、おじさんたちがさんにん。 僕らは仲良くフェリーに乗り、小樽をあとにしたのでした。 フェリーの中で話が盛り上がっていた僕らは、昼まっからビールを飲みはじめました。 みんな楽しくていい人だし、それぞれの旅の話や色々な話を聞いているとホントにおもしろい!! 夜通し飲み続け、あっという間に時は過ぎ午前4時、 新潟港へとフェリーは到着しようとしていました。 {みんなは旅の終わりだけど、僕だけはこれから旅のはじまり、 見ず知らずの人たちが今日出会い、今日一緒に同じ時間を過ごしている。 偶然かもしれないけど、この日出会った人たちには共通するところがあったように思える。 「今を生きているということへの強い執着心」。 僕は初日から、すばらしい時間を過ごせたと思う。 偶然の出会いなんかじゃなく必然とすら感じた。 会うべく人たちに出会ったというようにさえ思えた。 出会いとはすばらしい、そして到着と同時にこれは別れとなってしまう。} 新潟港へと無事到着、なんと最悪の大雨。 ついにフェリーで会った皆さんとお別れの時・・
あぁみんな行ってしまった。 僕もそろそろ行こうかな・・・・・ おなかもすいたしまずはお店を探そう。 大雨の中、僕は傘をさしながら新潟港を出発するのでした。 つづく 「People−8」を読む |