People−8

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People8 集中豪雨

さて、本日の目的地は・・?実のところ決まっていない・・
僕は旅人、旅をするというのに何よりも重要な地図を持たずに旅に出た!
(頭おかしいです)。
まぁでもそれには理由があって、札幌の本屋さんで全国版の地図を探したんですけど、
とにかくデカイ!!分厚い!!
荷物になってしょうがないような代物ばかりだったんですよ。
それらないっそのこと、旅先でその土地の地図を探して買ったほうが
情報も細かいだろうし、種類も沢山あるはずだと推測し、
札幌での地図購入をあきらめたのです。(それで地図を持っていないのですよ)。

新潟港を出発して30分、辺りはとっても物静か(朝5時位なんであたりまえですね)、
おなかペコペコさんなのにお店はどこもまだ開店していません。
しょうがなくコンビニに立ち寄り食料購入、そして当然地図探し!
おぉ関東ツーリングマップがあったぁ!
これは便利コンパクトだし、なかなかこまかい、即購入。
コンビニの前で傘をさしながらの朝食と一緒に、地図を見ながら行き先を僕は決めました。
よし、今日の目的地はここから約50キロある長岡市だぁ〜!
雨の中つらいけどがんばるぞ〜*

そんなわけで雨の中ゆっくりと走っていた僕。
なぜかその時でした、背後から拡声器のような物で「そこの自転車止まりなさい”」っと一言。
僕は止まって後ろを見るとな、なんとパトカー!
中から警察が降りてきて
警察:「君、家出?」、
 僕 :「いえ、違いますよ旅人です」
警察:「そうなの?あっ旗、北海道って書いてある(笑)」
    「たち止めてごめんね、がんばるんだよ!」
 僕 :「いえいえ、お勤めご苦労様です、それでは」
ふぅぅ〜ビックリした、早くもライダーさんに貰った旗が役に立つ時がきたのでした。

気を取り直して走りつづけ夕方くらいに目的地長岡に到着しました。
小さな食堂で夕食をすませ、ビールを飲みながらほっと一息★
そろそろ日も沈んでくるし、今日の寝床を探さなければなりません
(野宿する場所ですよ)。
食堂のおじちゃんになんかいい場所ないかと聞いたら、
近くにキャンプ場があるとのこと、しかし、
おじちゃん:「いや〜、今は落ち着いてるけど、この天気だと
       野宿はやめたほうがいいよ、
       ニュースでもやってたけどこの集中豪雨で
       死者なんかも出てるようだし、
       今夜辺りまた凄いのが来るみたいだよ・・」
   僕  :「そうですかぁ・・ありがとうございました、ごちそうさまです」
と言って僕は店を出ました。もうすぐ
日も完全に沈んでしまうし、考える時間はあまりない、
僕は足早にキャンプ場に向かいました。

雨はほとんどやんでいる。キャンプ場(冬はスキー場らしい)に
到着したのは午後8時くらい、
辺りはもうすっかり暗いけど、キャンプ場のライトが光っておりました。
しかしこの集中豪雨のせいかキャンプ場には僕ひとり、
やはり、無謀なのか??
そんなことを今更考えてもしかたないので、僕はテントを立てたのでした。
地図を見ながら明日の予定をたてているうちに僕は深い眠りについていました、Zzz〜。
ん、!なんだこの音?ズドドド〜、外を覗いた僕の目には
今まで見たこともないような雨が激しく降りそそいでいたのです。
時計を見ると午前3時、僕は知らないうちに寝ていたようだ。
そんなことを考えている暇はない!
3000円相当のテントはやはりもろく、刻一刻と浸水が始まってきた、
やばい、これはホントにやばい!どこかに非難しなければ。
辺りには数100メートル先にセンターハウスのような
小さな建物があるだけ、しかもそこは完全に閉まっている。
どうすれば??
は、遠くてよくは見えないが、確かにそのハウスは三角屋根であることが確認できた。
あそこまで全力で走ろう。
もう、激しく浸水したテントは今はこのままにしておくしかない。
僕は荷物と寝袋を抱え込みハウスまで、全力で走りました。
わずか数十秒であったにも関わらず、僕の荷物はすべてずぶ濡れ、
しかし幸いにも屋根の下で雨をいくぶん凌ぐことができたのです。

屋根の下でも体が濡れてしまう、そこで屋根プラス傘の二段構え。
それでも雨は襲ってくる、あぁどうしようもない・・・・・
とりあえず、外が明るくなるまでここにいるしかない。
なにもすることができず僕はただ、呆然と雨に流されてゆくテントを眺めていました。
雨の音を聞いているとそれがしだいに慣れてきたせいか
心地よい音に聞こえてきて、またもや僕は自然に眠りに着いてしまいました。

目が覚めたのは午前6時前でした。
雨もいくらか落ち着いてきたようで、僕はキャンプ場を出ることにしました。
もう、雨が止むのを待っていても時間が過ぎていくばかりです。
今来ている服、持ち物すべてがびしょびしょになった今、
もう雨などこわくありません。
ぼくは長岡市を後にして、上越(直江津)を目標に走り出しました。
数時間走っているとコインランドリーに遭遇!
もちろん駆け込み、濡れていた荷物(衣類)やら寝袋やら靴もつっこんだ。
店内に人が来る気配もなかったので、パンツ以外はその場で脱ぎ捨てつっこんだ!
僕はパンツ一枚で雑誌を読みながらコインランドリーで待ちぼうけ〜♪
運よくその間誰もこないで無事に洗濯、乾燥終了。
すがすがしい気分で走り出すと衣料品店を発見!
ノータイムでカッパを購入。
これでもう雨にやられる心配もない、快適に走れる、ふふふ!!
イエ〜ぃ!
 
つづく


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